聴覚障害者のコミュニケーション手段はさまざまです。手話をコミュニケーション手段としない聴覚障害の方に対しては文字で伝える方法(要約筆記)が有効です。
要約筆記には、OHC(オーバーヘッドカメラ)やパソコンを使用してスクリーンに文字を投影する方法(全体投影)や、聴覚障害者の隣に座りノートテイクする方法などがあります。それぞれ、手書きによるものと、パソコンによるものがあります。要約筆記を必要とする聴覚障害者の人数や行事の内容によって適した方法で行います。
よりよい通訳を提供できるよう、下記のとおり通訳環境の整備にご協力・ご配慮をお願いいたします。
要約筆記は、発言を聞き、内容を理解し、要点をまとめて書くという高度な情報処理を行うしごとです。そのため、複数で交替しながら通訳を行います。要約筆記者の人数は、行事の内容や時間によって変わってきますので、事前にご相談ください。
行事開始前にセッティングが完了できるよう、準備時間は十分に確保してください。
*全体投影の場合
スクリーン、要約筆記用の机とイスをご用意のうえ、それらを設置するスペースを確保してください。スクリーンは聴覚障害者から見やすい場所に設置してください。OHCやパソコンを使用する際は電源が必要です。電源の確保をお願いいたします。スクリーンや機材等の調整については、開始前に要約筆記者と相談をお願いいたします。
*ノートテイクの場合
聴覚障害者の隣に要約筆記者が着席できるよう机とイス、パソコンの場合は電源を準備してください。
※通訳するために必要な機材等は、可能な範囲でご用意願います。ご用意が難しい場合
は、貸出が可能ですのでご相談ください。
要約筆記は、正確で的確な通訳を提供するなど、通訳の質を高めるために入念な事前準備(学習)を行います。通訳内容に関する資料*を事前にご提供ください。
*資料:行事案内チラシ、当日配布資料、進行表、司会原稿、会議レジュメ、
講演レジュメ、パワーポイント原稿、研修講習のテキスト、会場図等
発言が聞こえないと通訳はできません。通訳者の位置で、発言者の音声が明瞭に聞こえるようにご配慮ください。会場の広さによっては、客席向けのスピーカーでは通訳者が聞きとりにくいこともあります。その際は、通訳者用のスピーカーをご用意ください。
要約筆記はその場で発言の要旨を伝えるしごとです。記録としての筆記・入力ではありませんので、書いたロールやノートテイクの用紙、入力したログを二次利用することはできません。処分をお願いいたします。
○手話通訳依頼時のお願いは こちら